【Report】東大生産研70周年記念展示『もしかする未来』へ

#181211

2018年12月1日から12月9日まで、一週間限定で開催された東大生産研70周年記念展示『もしかする未来』@国立新美術館へ伺いました。一部展示の内容を交えながらブログを書こうと思います。

■創造性教育と工学×デザイン

先日参加した、東京大学次世代育成オフィス(ONG)シンポジウム「イノベーションを創出する次世代人材育成のための創造性教育」では、”創造性教育”をテーマに産学官の各取り組みや今後の展望がシェアされていました。

科学技術が新たな価値創造によって社会の中に実装されていく過程で、どのようにデザインが考えられいて、今後サイエンスショーや科学実験教室に参加してくれる子どもたちに自分自身がどのように伝えていけるのかを考えたいと思い本展示会へ伺いました。

■東大生産研70周年記念展示「もしかする未来」

本展示会は、工学の研究とデザインの研究を組み合わせることによって、想像に描いてきた「もしかする未来」が見え始めるのではないか…ということをテーマとした展示会です。東京大学生産研究所の100を超える研究室の工学のテーマをもとに、デザインの要素が掛け合わせた展示がされていました。

・さまざまな握り心地×3Dプリンタ

 

同じ素材でも、3Dプリンタで微細に表現された形によって握り心地が大きく変わることを体感しました。きめが粗いものは少しすくぐったく感じたり、同じくらいの力でも構造によってへこみ具合が変わったりしたことが面白かったです。

・3Dプリンタ一回の印刷で、動く設計

スイッチをいれるともにょもにょと動き出すこちらの作品は、時計のからくりのようにいくつもの形状の部位がかみ合って動いているのですが、3Dプリンタ一回の印刷でできでいるそうです。いくつもの部品を別に作って組み合わせるということではなく、一回の3Dプリンタの印刷でこのような動きのものができることが面白かったです。

・チタンの性質を動きで表現

軽くて丈夫な性質があるチタンは、もつれたりたわんだりしません。軽やかでありながらたわまないということを、チタンを回し続けることで表現されていることが面白かったです。

■まとめ

科学実験イベントでは作るモノを決めて行うことも多いのですが、一方で課題を設定して科学の原理をどのように役立てて設計するかといった内容も、ファシリテーションの仕方によっては喜んでいただけることがあります。自由度を高くすることで難しさもありますが、子どもたちの発想に私自身が驚かされることが多いので、今回の場合は、”チタンの性質を使って応用できるものを考えてみよう”という内容などもプログラムを組んで実践してみたいと思いました。

明日も小学校で科学実験教室がありますので、本展示会でいただいた刺激を糧にのぞんでまいりたいと思います。

それにしても3Dプリンタで表現された、独特のもにょもにょした動きが個人的に好きで忘れられない…

最後までお読みいただきありがとうございました!

▼「もしかする未来」公式HP

https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/event/moshikasuru/

五十嵐 美樹(Miki Igarashi)